自分の才能を見つけたい人や人の才能開花を支援したい人へ。
この記事では才能開花理論「才能心理学」について解説します。
才能開花メカニズムから才能開花する2タイプ、才能の定義、才能心理学の専門用語まで詳しく解説しますので、自分の才能を見つけたい人、人の才能を見つけたい人がこの記事を読めば、才能を見つけるために必要な基礎知識を理解することができます。
目次
才能心理学とは
才能心理学は、才能開花のメカニズムを心理学的に解明し、人の才能開花を支援するために作られた理論体系です。
才能心理学をつくった才能プロファイラー北端康良は体系化するにあたり、歴史上の偉人や現代の成功者、アーティスト、俳優、スポーツ選手など、才能開花した人の人生を生い立ちから心理分析。
13年間の研究成果とのべ6,000人のコンサルティング事例を照らし合わせた結果、才能開花した人の共通点である「才能開花メカニズム」を見つけました。
その研究成果をベースに理論体系化した才能開花理論が才能心理学です。才能プロファリングはこの理論を元に開発された才能開花メソッドです。
才能の定義
広辞苑では才能を次のように定義しています。
才知と能力。ある個人の一定の素質、または訓練によって得られた能力。(広辞苑より)
確かにその通りですが、この説明で自分の才能を見つけられる人はほとんどいません。
そこで才能心理学を体系化した北端康良は才能開花メカニズムに沿って才能を次のように定義しました。
心を突き動かす感情を行動に移し続けた結果、開花する能力(才能心理学での才能の定義)
才能開花メカニズムと合わせて詳しい説明をします。
才能開花メカニズムについて
才能開花した人に共通する才能開花メカニズムがあります。それを表したのが上の図になります。出来事から順番に感情→欲求→思考→行動→結果→出来事・・・という流れになっています。
日々、いろいろな出来事が起きるたびに、私たちは毎日、このサイクル(才能開花メカニズム)をぐるぐる回っています。
たとえばあなたがこのページを今見ているのは、何かのきかっけで「才能」という言葉を見たり聞いて(出来事)、気になり(感情が動き)、知りたいと思い(欲求が動き)、検索して調べようと考え(思考)、実際に検索し(行動)、このページを見つけた(結果)からかもしれません。
他のケースもありますが、ある出来事がきっかけとなってこのページにたどり着いたのは共通しているはずです。
もし、あなたが昔から才能や成功、自己実現に興味を持っていたとしたら、今まで才能に関する書籍を読んだり、成功者のインタビュー記事を読んだり、強み診断を受けたり、才能を伸ばす練習法を取り入れたりしているでしょう。結果、今それなりの能力を身につけているはずです。
才能開花メカニズムを回るたびに、感情、欲求、思考、行動がパターン化され、それが習慣化され、続けている間にある種の能力が開花します。
一般的にいわれる才能とは、この能力の中でも特に秀でた能力のことです。
先ほど、才能心理学における才能の定義を「心を突き動かす感情を行動に移し続けた結果、開花する能力」と紹介しました。
それは上記の才能開花メカニズム図のように、出来事が起点となり私たちの感情や欲求が動き、行動につなり、繰り返すことで才能は開花するからです。
人間であれば誰もがこのサイクル「才能開花メカニズム」を繰り返しながら生きています。私たちが誰にでも才能があるといえるのは、そのためです。
もちろん、人によって今までの経験の中で、
- どの出来事が才能開花につながるのか
- どの感情や欲求が才能開花のモチベーションになるのか
- どの行動が才能を伸ばす行動パターンとして役立つのか
は違います。そこを見極めるための理論が才能心理学であり、その技術が才能プロファイリングです。
才能心理学の専門用語
才能心理学にはいくつかの専門用語があり、それぞれの用語の意味は明確に定義されています。
才能プロファイリングが再現性のある正確でスピーディーな才能開発メソッドである理由は、各専門用語に明確な定義があるからです。
ディープインパクト
才能開花した人は、開花のきっかけとなった出来事を経験しています。才能心理学ではその出来事のことをディープインパクトと呼んでいます。
たとえば、元大リーガーのイチロー選手は兄弟に野球を見に連れて行ってもらったことがきっかけで野球にはまりました。
科学者のアインシュタインは父親からコンパスをプレゼントされた時に、「コンパスの針が自動的に北を指すということは、目には見えない力が働いているはずだ」と好奇心を刺激され数学・物理学にはまりました。
Appleをつくった起業家 スティーブ・ジョブズは生まれてすぐ養子に出され、そのことを知りながら育ちました。その出来事の影響で「僕は同級生とは違う」「なぜ自分だけが養子に出されたのだろう?」と悩みに悩みました。
その後、彼は人と違うというコンプレックスを「違いにこそ価値がある」というバリュー(価値)に変え、「Think Different(他人と違う考え方をしろ!)」というスローガンでMacを開発。デザイン性の高い、他社とは全く違うコンセプトのPCやスマホで世界中を席巻しました。
才能開花した人は、開花のきっかけとなった出来事、ディープインパクトを持っています。
私たちは才能開花メカニズムに沿ってさまざまな出来事を経験しますが、才能開花を目指すには「才能開花につながる出来事と、そうでない出来事」を見極める力。
才能開花につながる出来事を引き寄せる力も必要です。
ある人・ない人
才能心理学では才能開花した人を2タイプにわけています。1つがある人、もう1つがない人です。
ある人とは先ほどのイチロー選手やアインシュタインのようにポジティブなディープインパクトがきっかけで才能開花した人のこと。
ない人はスティーブ・ジョブズのようにネガティブなディープインパクトをきっかけに才能開花した人のことです。
一般的にはポジティブな経験をし、ポジティブな感情を持っている方が良いとされがちですが、才能開花という目的にフォーカスしていえば良い・悪いはありません。
大切なのは、あなたの心をより強く動かすのはどちらのディープインパクトか、どちらの感情かを見極めることです。
才能心理学の研究結果によれば世界を変えるイノベーションを起こす人は「ない人」の方が多い傾向にあります。現状に不満(ネガティブな感情)があるからこそ、人は世界を変えようとするからです。
才能の源泉(モチベーションの源泉)
才能の源泉とは、才能開花のモチベーションとなる感情・欲求のこと。心理学用語でいえば内発的動機のことです。
人は感情で動きます。感情や欲求が動かなければ、できることでもしないのが人間の特定性の1つです。
才能開花には1万時間のトレーニングが必要といわれています。それを考えるても持続的なモチベーションは必須です。
給料アップなどインセンティブを提示されなくても、誰かに命令されたり、恐怖や不安に追い立てられなくても、「これをやりたい!」「達成したい!」と自然と湧いてくる内発的動機が必要になります。
才能の源泉(内発的動機)が刺激されると、私たちは寝食を忘れて何かに没頭します。その没頭状態をフロー状態と呼んだり、ゾーンに入ると呼ぶこともあります。
この観点からいえば、先ほど解説したディープインパクトはあなたの中に眠っている内発的動機を目覚めさせてくれる出来事です。
そして内発的動機をモチベーションに行動する時がフローやゾーンに入る1つのきっかけです。
コア・コンセプト
コア・コンセプトはあなたが人生で一番大切にしたい価値観のことです。
才能心理学的に解説すれば、コア・コンセプトは才能の源泉(内発的動機)を価値観を表す言葉として、言語化したものという説明になります。
たとえば先ほどあげたスティーブ・ジョブズ。彼はAppleの企業理念やミッションを明確には作りませんでした。しかし、「Think Different(他人と違う考え方をしろ!)」というスローガンを作り、これがAppleの価値観を表す言葉になりました。
養子に出され実の両親に育てられなかったスティーブ・ジョブズは「自分と他の人は違う」という葛藤(ネガティブな感情)を持ちながら大人になりました。しかし、その後「いや、違いにこそ価値がある」と価値観として提示。他者には真似できないデザイン性の高いPCやスマホを商品化・サービス化することで才能を発揮しました。
彼の才能の源泉をコア・コンセプトにすると「違い、ユニークさ、特別さ」といった言葉になるでしょう。
判断や決断をするときに、「これは今までの商品と何が違うのか?」「他社とどう違うのか?」。コア・コンセプトが明確であればあるほど、決断・判断のスピードが早くなり、行動スピードも速くなります。結果、強みや才能が開花するスピードも加速します。
スターバックスは「第三の場所」というコンセプトで世界展開しています。その理由は、CEOのハワード・シュルツが仕事に失敗した父親を見て育ったためです。定職につけず十分な収入を稼げなかった父親はいつもがっくり肩を落としていました。彼は父親の姿を見ながら「自尊心の大切さ」を痛感したと語っています。
しかし、父親の役割は稼ぐこと。サラリーマンの仕事はノルマを達成すること。家庭や職場で完全に役割から解放されることはありません。
そこですべての役割から解放される場所として、自尊心を傷つけるのではなく、回復できる「第三の場所」としてのスターバックスを作りました。このコンセプトはハワード・シュルツ自身のディープインパクトと才能の源泉から生まれた言葉です。
人であれば誰もが大切にしたい価値観、コア・コンセプトを持っています。それが明確になれば迷いや悩みを消し、決断・判断力を上げ、才能開花のスピードも上げることができます。
コア・コンセプトという観点からいえば、才能はあなたが最も大切だと信じる価値を提供する能力のことです。
リーダーシップ
才能心理学ではリーダーシップをコア・コンセプトを軸に影響力を発揮することと定義しています。
リーダーシップというとぐいぐいメンバーを引っ張る力を持ったパワフルな人というイメージがありました。最近ではその限界が指摘され、メンバー支援型のサーバントリーダーシップという考え方も登場しています。
社会で活躍する女性が増えてきた背景をうけて「自分らしいリーダーシップ」の見つけ方も模索されています。
要は人それぞれタイプや持ち味が違うので、個性に合ったリーダーシップを発揮した方が効果的だという話です。
もちろん組織の状態により求められるリーダー像は確かに存在しますが、リーダー育成という観点からいえば、個性や才能に合ったリーダーシップスタイルを採用するのが効果的です。
これはつまり自分の才能やコア・コンセプトに合ったリーダーシップスタイルを見つけ発揮するという意味です。
スティーブ・ジョブズとハワード・シュルツのリーダーシップスタイルが違うのはディープインパクトが違えばコア・コンセプトも変わるからです。
コア・コンセプトが明確になれば、あなたのリーダーシップスタイルも明確になります。
ノイズ感情
ノイズ感情とは才能開花を妨げる感情のことです。
一般的な例でいえば失敗する不安や挫折する恐れなどがあります。それが他人の評価や視線に繋がっている人もいるでしょう。中には、成果を出して嫉妬されるのが嫌だという理由で、100%才能を発揮していない人もいます。
私たちがなかなか才能を伸ばしたり、発揮できない理由の1つは不安や恐れに囚われるために、必要なトレーニングやパフォーマンスの発揮に集中できないからです。
才能開発をするときには、クライアントが最も苦手とするノイズ感情を特定し、その扱い方、心の整え方もトレーニングします。
主要なノイズ感情は1つか2つしかありません。そのノイズ感情を制する方法をマスターすれば決断や選択を躊躇したり、間違える回数も減り、才能発揮もしやすくなります。
才能心理学を理論体系化した北端康良について
北端康良は26歳で心理学のセミナー会社に転職。その後、セミナー講師として9年間で500回以上の心理学セミナーを担当。300名のカウンセラー育成にかかわった心理分析とメンタルトレーニングの専門家です。
その後、才能開花した人やビジネスやキャリアで自己実現した人の共通点を調べるため研究を開始。才能開花メカニズムを発見し、才能心理学を体系化。再現性のある才能開花メソッド、才能プロファイリングを完成させました。
2012年、一般社団法人 才能心理学協会を立ち上げ本格的に才能開発のプロとして活動を開始。才能開発についての書籍も2冊出版しています。
クライアントは上場企業の経営者から中小企業のビジネスオーナーやビジネスパーソン、子育て中のママまで。幅広い人に支持されています。
才能プロファイラー養成コースには日本全国から受講者が参加。海外から参加する受講者もいます。
税理士、経営コンサルタント、マーケティングコンサルタント、キャリアコーチ、経営者、マネージャー、塾講師、子育て中の保護者など、人材育成や教育、子育てに関わる人たちが才能プロファイリングを学んでいます。
2018年、小学生向けプログラミング教室を開校し、子供の才能開発も開始。小学生から経営者まで対象した数少ない才能開発の専門家です。
講演実績
- 大阪大学付属病院循環器内科研究室「研究者のためのモチベーションの高め方」
- MAP経営「イノベーションの起こし方」
- SS会計事務所「100年先も潰れないビジョン・ミッションの描き方」
- 有限会社ガイア「無理なく楽しい仕事で、売上を上げる方法」
- 奈良教育大学 「20代で自分の才能を引き出し、誰にも真似できないキャリアを築く方法」
- 経営合理化協会 経営者のための「才能を引き出す方法」
- 高槻商工会議所 「社長のための心理学 3つの活用法」セミナー など