「才能」という言葉がつく本はすべて目を通していますが、その中でも、最近学びが多かったのがこの1冊「「本当の才能」の引き出し方」(著 野村 克也)。ヤクルト、阪神、楽天を優勝に導いた野村克也監督が、60年のプロ野球人生でつかんだ才能を引き出す極意が満載です。
「弱小チームの監督に就任し、優勝を果たすには選手の才能を引き出すこと」。そのために、野村監督が何をしてきたのかが書かれています。
たとえば天才ピッチャー、江夏豊選手がトレードで南海に来た時のこと。すでにピークを過ぎ、かつての剛球は見る影もなかった江夏選手。任せられるのは、リリーフしかありませんでした。
しかし、江夏選手は大スター。ピッチャーといえば「先発・完投」が当たり前。江夏選手は、「トレードの上に、リリーフになれだと? 監督は二度もオレに恥をかかせるのか!」と反発したそうです。
「この男を”その気にさせる”には、どうすればいいのか?」
頭を抱えた野村監督、ある言葉が思い浮かびました。そしてこういったのです。
プロ野球界に革命を起こしてみんか。
これから日本球界は、メジャーのように先発・完投は古くなる。
お前が先駆者となって、日本野球に革命を起こしてやれ!
これから日本球界は、メジャーのように先発・完投は古くなる。
お前が先駆者となって、日本野球に革命を起こしてやれ!
この一言が天才、江夏豊選手を動かしました。
かつて、スティーブ・ジョブズはペプシコーラの事業担当社長をしていたジョン・スカリーを口説く時、「このまま一生砂糖水を売りつづけたいか? それとも世界を変えたいか?」と言ったそうですが、野村監督のセリフにも通じるものがあります。
他にも新庄剛志選手を動かした一言など、一流選手を育てた野村監督の知恵が満載。
「才能を発揮しきれていない自分に腹が立つ!」という方。
「部下の才能を引き出したい」という方はぜひチェックし、応用してください。
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