コーチに限らず、質問力を磨くことはとても大切です。良く引用されるのは、マーケティングの専門家、セオドア・レビット博士の「本当にほしいものはドリルではなく穴」という話です。
お客様:「すみません。ドリルを探しているんですけど……」
販売員:「ドリルですね。少しお伺いしてもよろしいでしょうか?」
お客様:「はい」
販売員:「ドリルをお探しとのことですが、どのようなことでお使いになりますか?」
お客様:「実は、子どもの工作で木材に穴を空けてあげなきゃいけないんですよ」
販売員:「具体的には、どのような穴でしょうか?」
お客様:「そこの板くらいの大きさのベニヤ板に、5mmくらいの大きさの穴を、数枚の板に空けます」
販売員:「なるほど。……それでは、ドリルなのですが、工作を終えた以降のお使いの予定はございますか?」
お客様:「いえ、使う予定は特にありません」
販売員:「でしたら、当店でお子様の必要とされている穴を空けたベニヤを作成しましょうか?」
お客様:「えっ? いいんですか? では、お願いします」
(引用:マーケターの思索)
「すみません。ドリルを探しているんですけど……」と聞かれ、「3番通路の右側にあります」とだけ答える販売員さんも多いですが、例のような販売員さんに出会えたらラッキーですよね。
質問力があるかどうかで、
- あなたがお客の立場なら欲しいものを買えるかどうか
- あなたが販売員ならお客に満足してもらえるかどうか
が決まります。
ではどうすれば質問力を磨けるのか?
答えは「疑問を持つ力」を伸ばすことです。
販売員が質問したのは 「どうして、このお客様はドリルを探しているんだろう?」 と疑問を持ったから。つまり質問力とは「疑問を持つ力」のことです。 あの販売員さんと同じ疑問を持てれば、誰でも同じような接客ができるようになるでしょう。
コンサルティングやコーチングも同じです。効果的な質問ができなかったり、空振りするような質問をしてしまうのは、クライアントの話の中身に疑問を持てないから。「相手に対する興味が弱い」とも言えます。
才能プロファイラー養成コースのトレーニング実習では、受講者に「疑問を持つことの大切さ」を教えます。プロと同じ疑問を持つことができれば、相手の才能や成功パターンを見つけることができるようになるからです。